創業者は働き者の両親の背中を観て育った。そんなある日、「頑張り屋のガンさん」と呼ばれるくらい早朝から深夜まで休みを取らずに働き続けた父が突然、交通事故でこの世を去った。創業者10歳の夏であった。
身体障害者である母は、再婚もせずに女手一つで三人の子供を育てた。家族四人がひしめき合いながら、六帖一間で長年過ごした貧困な生活は、今でも創業者の脳裏から離れる事は無い。やがて創業者は不動産・建築業に営業として勤めた。お客様の希望溢れるマイホームを実現したいという意気込みで、一日三百件以上の顧客訪問を続ける中、お客様の声は「帰れ」「二度と来るな」など絶望感に打ちひしがれる言葉ばかりであった。そんな時、アパートのドアを、唯一開けて頂いた奥様が、悲しそうな顔で「ごめんね…私も子供の為に家は欲しいんやけど、母子家庭で給料も安く生活していくのがやっとなの…お兄ちゃんごめんね」としみじみ語ってくれた。その目の前の奥様が、創業者の母親と重なり涙が溢れ出て止まらなかった。
何とか、このご家族が幸せに暮らせる住宅が創れないかと、悲しみを感じたのであった。それがびわこホームの創業の原点である。
様々な念いを持つ人々が一つ屋根の下で希望を語れる家創り、その願いを持ち続けることこそ、びわこホームの創業の精神である。